妊娠4週目から悪阻が始まり、症状はどんどん悪化しました。何を食べても嘔吐してしまい、なんとか炭酸水は少し口にできた状況でした。しかし7週目に入った時に、水さえも飲めなくなり入院となりました。

入院では24時間点滴を強いられ、栄養は全て点滴から得ることになりました。常に点滴をつけていなければならない状況、顔の横にはいつも嘔吐用の容器が置かれていました。

こんなに辛い状況・状態は人生で後にも先にもこの時だけだと思います。それくらい毎日壮絶でした。栄養が摂れていないため、抗がん剤治療の副作用のように髪の毛が抜け始めました。どんどん痩せ細り、髪も薄くなった自分の姿に絶句し、一人で泣いていました。

そんな時支えてくれたのは夫の存在でした。仕事が激務である中、毎日会いに来てくれ、励ましてくれたのです。5分でも10分でも顔を見たいと夫は言い、私の手を握ってくれました。そして赤ちゃんのために頑張ってくれてありがとうと何度も感謝の気持ちを口にしました。

そんな夫の優しさに救われ、半年間という長期の入院生活を乗り越えることができました。今思い返すと、人の温かさというのは薬よりも体を元気に気持ちを前向きにしてくれるのだと気付きました。